henry/平次

日常に隠れた小さな事件を綴ります。

健康・愛・お金

Salud, Amor y Dineroという言葉を聞いたことがありますか。

スペイン語で健康・愛・お金という意味で、メキシコではこれが一番大切だと言われています。確かに、どれか一つでも欠けると人生なかなかハードですね。

この言葉について考えたキッカケは、メキシコの街中を歩いていると、笑顔の人が多い印象を強く感じたからです。街中には日本人の平均所得の半分以下しか得られていない人で溢れていますが、仏頂面で歩いている人は少数派です。それは天気なのか、食べ物なのか、人種が要員なのか色々考えましたが、幸福に対する考え方がハッキリしているのが要因だと私は考えました。

 

解釈は人それぞれだと思いますが、きっと以下のような事が言いたいんだと思います:

 

・健康(Salud)→心身の健康

・愛(Amor)→家族、仲間との関係

・お金(Dinero)→仕事の収入と家計の支出

 

お金が最後に来るんですね。実際に意識しているウエイトはどれくらいでしょうか。たぶん私は2/3以上はお金の事を考えている気がします。仕事、物欲、株株株。。。

少し話が脱線しますが、世の中の妬みはお金が絡んでいる事が多いように感じます。SNSでの炎上ネタは割とお金絡みと不倫絡みが大半な気がします。一方で、誰かが優れて健康だったり、家族との関係性が極めて充実していたも、それは妬みのターゲットにはなりにくいと、個人的に思います。つまり、世の中の人も、お金がどうしても意識の中心になってしまっているのではないでしょうか。

 

お金は確かに大事です。でも、お金は墓には持っていけません。死んでしまったら意味は無いし、独りで生きていても、お金は最低限しか必要ありません。幸福に対する考え方を見直し、笑顔が多い社会になって欲しいと思います。

平次 アメリカに赴く

(この物語はフィクションです)

大学はラクに単位が取得できる授業を真面目に受け、4年で卒業できた僕は2流電機メーカーに就職した。歴史のあるメーカーで、ほとんどの人は知っているブランドだが、会社の資金は乏しく、事業所が全国の僻地に散らばっている、働く人からすれば残念な会社だ。

 

幸いにも僕は大阪の本社に配属されたので、僻地生活を避ける事ができたが、入社して4年が経ち、僕は転職したいと思うようになった。せめて年間の手取りが300万を超える生活をし、オンボロの寮から出たい。そんな理由だった。転職活動は割とスムーズに進み、丸の内に本社があるメーカーとの最終面接が終わった翌日に、上司から突然呼び出しを受けた。

 

「平次君、ここ2年で何度かアメリカに応援出張に行ってもらったんだけど、これからは駐在員として赴任する気はある?」

私の人生の中で”青天の霹靂”という言葉を使う機会があるとすれば、まさしく今だろう。噂では駐在員になれば給料は倍になると言うではないか。これでカネに困らなくなると思った私はその場で返事をし、半年以内にアメリカへ飛び立った。

 

さて着いてまず最初にするべき事は家探しである。どうやら当社の駐在員は現地の日系不動産と物件探しをする事が多いみたいだが、私は日本人が個人経営している槙原不動産(仮称)のお世話になる事になった。私が槙原さんと一緒に物件探しをしてくると言うと、同僚は皆「あっ....(察し)頑張ってね。無事に帰ってきてね...」と言ってくるので少々不安になった。

 

待ち合わせ場所で緊張しながら槙原さんの到着を待っていたが、実際に会ってみると少しおとなしめのマダムという印象で、なぜ同僚があんなリアクションをとったのかがサッパリわからない。しかし槙原さんが運転するクルマが急発進し、なんとなく理解した。

 

槙原さんの運転が超絶に荒いのである。プリウスがあんな機敏に急発進し、急ブレーキができる事を知る良いキッカケになった。一体なんでこんな運転になるんだろう...と私はおそるおそる槙原さんの足元を覗いてみた。

 

なんとAT車なのに両足で運転していたのである。常時左足がブレーキにセットされているではないか...F1ドライバーは左足でブレーキするって聞いた事はあるが...

 

こんな調子で僕の家探しが始まった。